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ランニングと左右差

Author:Yoshifumi Mahara - 2014年10月27日

こんにちは。

 

今回は、ランニングと体のバランスの左右差についての話です。

 

当院をご利用いただいている陸上部の長距離選手も、左右のバランスの乱れから思うように走れなかったり、痛みや違和感につながってしまって来院される方が多いです。

 

特に骨盤や股関節周りのバランス・動きの悪さが気になって来院される方が多いですね。

 

日常生活には支障のない程度の問題でも、競技として高いレベルで取り組むほどシビアに影響してきます。

 

そのような場合にも、カイロプラクティックの矯正は非常に効果的で、左右のバランスの改善によって走りやすくなったと実感される方も多いです。

 

さて、そのような左右差についてですが、矯正を行うにあたって陸上長距離の選手に関しては、少し考慮しなければならない部分があります。

 

それはトラック種目の問題です。

 

陸上のトラックを走る場合、左回りの反時計回りに走ることになります。

 

トラックを左回りに走る場合は、左足が軸足で右足が蹴り足(利き足)の方が走りやすいです。

 

すると、骨盤は左が後ろ、右が前に傾くように歪みやすくなります。

 

しかし、その歪みというのは左回りのトラックを走るために最適化された結果と言えますので、ある程度の左右差は許容されるべきです。

 

そのため、春~秋のトラックシーズンの場合、むやみに左右差だけを矯正してしまうと、トラックを走る上では逆効果になる場合もあります。

 

そういう場合は、左右差などのバランスよりも優先されるのは、機能面の改善です。

言い換えると、各関節・筋肉の協調性を高め、しっかりと働ける状態を作るということです。

 

もちろん、左右差が大きくなりすぎれば故障の原因になりますし、トラックの左回りと関係ない歪みもありますので、その場合はバランスに関してもしっかりと矯正を行います。

 

次に、基本的にトラックを走ることのない市民ランナーの方や、駅伝やマラソンなどのロードレースを考えた場合はどうでしょうか。

 

ロードを走る場合は、軸足と蹴り足の役割を入れ替えながら走ります。

 

ロードでは、路面の状況などに応じてスムーズに重心を移動させながら、左右の役割を入れ替えることが求められます。

 

もちろん、元々の軸足と蹴り足(利き足)のクセ(左足が軸足で右足が蹴り足の人が多い)はあるので、左右均等にはなりませんが、境目なく左右の役割を入れ替えることができるのが理想でしょう。

 

つまり、左足が軸足 ⇔ 右足が軸足の間を、一連の動きの中でスムーズに移動できるということです。

 

そのためにはベースとなる身体の状態が、バランス面でも機能面でも良い状態になくてはなりません。

 

特に距離が長くなればなるほど、身体にかかる負担は分散できた方が有利になるので、その点でも偏りを少なくすることのメリットは大きいです。

 

身体のバランス自体は、カイロプラクティックの矯正で整えることができますが、動きの中でのスムーズな重心移動などは、トレーニングによって身体に覚え込ませることも重要です。

 

矯正してバランス面や機能面を改善しても、使えなければ意味がないですからね。

 

左右の重心移動やスムーズな軸足の入れ替えを覚える方法としては、例えば連続したスラロームや八の字に走る練習などがあります。

 

カーブを曲がる時は自然に内側の足が軸足になるので、しっかりと意識をしながら左右交互に曲がることでスムーズな重心移動を覚えます。

 

絶えず路面状況の変化への対応が求められる、クロスカントリーやトレイルランニングなども良いトレーニングになるでしょう。

 

左右のバランスの乱れが大きくなって身体に偏った負担がかかりすぎれば、関節や筋肉に機能面での問題が生じ、故障につながります。

 

先程、「ある程度の左右差は許容されるべき」と書いたトラック種目などの場合も、機能面ではしっかりと左右ともに働ける状態を保つことが必要です。

 

アスリートの方も趣味程度に走る方も、日頃からしっかりとケアをするようにしてください。

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