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腹筋と腰痛

Author:Yoshifumi Mahara - 2013年6月7日

今回は腹筋と腰痛の関係について。

普段の施術時でも、腰痛で来院される方から「腹筋が弱ってるからですかね?」と聞かれることが多いです。

 

つい先日も同じ質問を受けたので、これらの関係について書いていきます。

 

様々なメディアで腰痛が取り上げられる際にも、腹筋が弱いことを原因に挙げられる場合は多いです。

また腰痛で病院に行った場合にも、腹筋を鍛えてくださいと言われることが多いかもしれません。

 

では「腰痛」と「腹筋が弱い」は、イコールで結ばれる関係なのかというと、そうではありません。

 

普段から体を鍛えているような、腹筋が強い人であっても腰痛にはなります。

反対に腹筋が弱くても、腰痛になっていない人はたくさんいます。

 

そもそも腹筋が弱いと何が問題なのでしょうか?

 

先ずよく言われるのが、姿勢への影響。

腹筋が弱くなると身体の前側に壁が無くなるので、腰が反ったり、お腹を突き出したような姿勢になりやすく、それらの姿勢の問題によって腰痛が引き起こされます。

 

次に支柱としての役割。

人の体は、中心の柱として背骨(脊柱)があり、それを支柱となるまわりの筋肉などで補って支えられています。

まわりの支えとなる筋肉が弱くなると、背骨に直接負担が掛かってしまい、腰痛が出やすくなります。

また既に腰痛が出ている場合は、支えとなる筋肉を鍛えることで、痛みを軽減することができます。

 

・・・というのが一般的によく言われていることです。

 

間違ってはいないと思いますが、少し不十分です。

 

確かに姿勢への影響に関して言えば、①姿勢を維持する筋力が弱くなり、姿勢が悪くなることで腰痛が出るようになるということは考えられます。

しかし、どちらかと言えば、②姿勢や生活習慣、偏った体の使い方などで、使わない部分の筋力が落ちているだけの場合が多いです。

ただ、②から①になって、さらに悪化するという悪循環に陥ることは十分考えられます。

 

元がどっちという話で、①であれば筋力を鍛えれば良いということになりますが、大半はそうではないということです。

 

また脊柱への負担を減らす為に周りの筋肉の支えが必要ということに関しては、脊柱の部分に問題がある腰痛であれば当てはまることがあると思います。

しかし軽度のものを含めれば、腰痛を訴える人の半分以上は脊柱よりも筋肉や筋膜の部分で痛みが出ていて、当てはまらない場合も多いです。

 

腹筋が弱いことは腰痛の原因の一つであっても、一番の原因であることはそれほど多くないです。

当然のことなのですが、腰痛にも色々なタイプがあるので、全てに当てはまることはないです。

 

同じ「腰痛」であっても、腹筋を鍛えて良い場合と、それが逆効果になってしまう場合もあります。

安易に考えずに、腰痛が出ている時点の体の状態と、根本的な原因をちゃんと把握した上で対策することが大切です。

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