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歩き方の影響と症例

Author:Yoshifumi Mahara - 2012年12月3日

先日、ある方の施術をさせていただいた時の話です。

 

お話を伺っている中で、ご来院いただいた主訴ではなかったのですが、外反母趾で痛みがあるとのことでした。

足を見せていただくと、外反母趾だけでなく、開帳足(横アーチの消失)と、浮き指も顕著に見られました。

先日の記事で書いた「足指じゃんけん」をしてもらうと、パーだけが何とかできるくらいでした。

 

そこまでで、足の筋力低下 → 開帳足 → 外反母趾という悪化の流れが見えてきます。

 

しかし、それだけでは十分ではありません。

 

正しく歩いていれば、足部の筋肉をある程度は使うはずです。

それが使えていないということは、全く歩かない生活をしているか、歩き方が悪いかです。

でも、それだけ足が痛くなるなら、全く歩かない生活はしていないですよね。

 

そこで、実際に普段の歩き方を見せていただきました。

 

歩き方を観察してみると、骨盤が後傾して腰が落ちた状態で猫背になり、常に膝を曲げたまま、足をペタペタと着いて歩いていました。

この状態では、足部の筋肉は使われません。

 

正しい姿勢、歩き方、着地の仕方を説明し、この方が特に使えていなかった臀部の筋肉に意識を集中するようにお願いして、再度歩いていただいきました。

 

すると、あまりの感覚の違いに驚き、狭い施術スペース内をずっと歩いておられました。

自然と背筋が伸びて、いつもより視線の位置が高くなり、脚がスムーズに出ると同時に、足の指までしっかり着いて歩いている感覚があったそうです。

あまりの違いに、「今まで何をしていたんだろう」とまでおっしゃっていました。

 

また、この方は普段はなんともないのですが、階段で両膝の痛みが出ることがあるとおっしゃっていました。

この膝の痛みも、歩き方の問題からの影響が考えられます。

 

この方は太ももの前側の筋肉が、尋常じゃないくらいにパンパンに張っていました。

膝の痛みは、その筋肉の付着部で起きていました。

 

何もしていないのに、なぜそこまでのハリが出てしまったのかというと、おそらくは常に膝を曲げたまま歩くその歩き方です。

 

真似していただくとわかりやすいと思いますが、膝を曲げたまま歩くと太ももの前側の筋肉は、常に緊張した状態になってしまいます。

これでは負担が大きすぎますね。

 

今回は、歩き方だけでも色々なところに影響する事を理解していただきたくて、実際の症例を挙げました。

多くの方にとって、決して他人事ではないと思いますので、ご参考までに。

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