骨盤の前後の傾き
Author:Yoshifumi Mahara - 2012年12月7日
今回は、これまでに繰り返し書いてきた歩き方の話とも関係の深い、骨盤の前後の傾きについての話です。
骨盤の前後の傾きというと、「女性は骨盤が前傾している人が多い」という話をよく耳にします。
しかし、私が施術をしている中での実感では、日本人に限って言えば男女問わず骨盤は後傾している人の方が多いくらいです。
では、女性は骨盤が前傾している人が多いというのは嘘の情報なのかというと、必ずしもそうとは言えないと思います。
一見すると矛盾しまくってますね(笑)
立位で姿勢の状態を見ると、確かに日本人女性でも骨盤が前に傾いている人は多いです。
ただ問題は、それが本当の意味での骨盤前傾なのかということです。
わかりづらいと思いますので、ここで可能であれば黒人の方の体を思い浮かべてください。
思い浮かべるのが難しければ、インターネットで画像検索してきていただいても構いません。
(日本人との比較という意味では、白人の方でも十分かと思います。)
大多数の黒人の方は、見事なまでに骨盤が強く前傾していますよね。
では、①日本人女性に多いという骨盤前傾と、今思い浮かべていただいた②黒人の方に多く見られる骨盤前傾は同じでしょうか?
同じ骨盤が前傾している状態でも、この二つは大きく異なっています。
①の場合:
前かがみになるときと同様、姿勢として骨盤が前傾しており、骨格として構造的には前傾していない場合や後傾している場合も含みます。
立位においては、腰が引けたような状態になるため、腰の位置は低くなります。
歩行時は、股関節が常に屈曲した状態で可動範囲が狭く、すり足に近い歩き方になります。
膝を常に屈曲している人や、内股を伴う人も多く見られます。
歩行時の筋肉の働き方としては、太ももの前側やふくらはぎの筋肉に大きな負担がかかる反面、お尻や太ももの裏側の筋肉はあまり使われません。
②の場合:
脊柱の生理的彎曲(S字のカーブ)と同様に、骨格として構造的に骨盤が前傾しています。
立位においては、お尻がキュッと上がった、いわゆる腰高の姿勢になります。
歩行時は、股関節の可動範囲は広く、力強く地面を蹴るような歩き方になります。
歩行時の筋肉の働きとしては、お尻や太ももの裏側の筋肉と、股関節を屈曲させる大腰筋というインナーマッスルがよく使われ、太ももの前側やふくらはぎの筋肉に対する負荷は小さいです。
他にもあるのですが、大まかなところだけ挙げても、これほどの違いがあります。
しかし残念ながら、これだけの違いがあるにも関わらず、同じものであるかのように扱われている場合も散見します。
スポーツの場面でも、骨盤の前傾が有利との考えにとらわれて、誤った形で骨盤を前傾させるように指導している例が多くあるようです。
姿勢について見る場合は、ある一部分(この場合は骨盤)だけにとらわれず、全体として見ることが大切です。
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