産後の尾骨(尾てい骨)の痛み
Author:Yoshifumi Mahara - 2017年9月20日
こんにちは。
今回は産後の尾骨(尾てい骨)の痛みについて。
産後の骨盤矯正で当院にご来院の方の中に、尾骨(尾てい骨)の痛みを訴える方がいらしゃいます。
屈んだりなどの動作時に尾骨(尾てい骨)が痛んだり、特に硬い椅子や床に座った時や仰向けに寝た時に尾骨(尾てい骨)が当たって痛むなど。
また、出産後すぐに症状が出る場合もあれば、産後しばらくしてから症状が出始める場合もあります。
このような尾骨(尾てい骨)の痛みで病院(整形外科)を受診した場合、仙骨滑液包炎という診断を受けることがあります。
仙骨というのは腰の骨(腰椎)の下にある三角形の骨で、背骨の土台となる部分です。
そして尾骨(尾てい骨)というのは、仙骨の先端部分の骨を指しています。
この仙骨・尾骨と左右にある寛骨(腸骨・恥骨・坐骨が合わさったもの)を合わせて、骨盤と呼んでいます。
滑液包というのは、筋肉や腱の摩擦を軽減するためにある袋で、中は滑液という液体で満たされています。全身の特に摩擦の起こりやすい関節の付近に多く存在しています。
つまり仙骨滑液包炎というのは、その名の通り「仙骨の部分にある滑液包で炎症が起きている」状態です。
では、なぜそのようなことが起こるのでしょうか?
仙骨滑液包炎自体は、仙骨・尾骨の部分が床や椅子の座面などに繰り返し当たることで、滑液包に炎症が起きている場合が多いと考えられます。
そのため「出産前は尾骨(尾てい骨)が当たったり炎症が起きることなんてなかったから、もしかして出産の際に骨が変形した?」と思われる方も多いようです。
しかし、実際には出産によって骨が変形したのではなく、妊娠・出産を通して姿勢が変わってしまったことによるものがほとんどだと考えられます。
妊娠中はお腹が大きくなるにしたがって、お腹を前に突き出したような姿勢になりやすいです。
また出産後も赤ちゃんを抱っこする際に、骨盤に乗せるような形で下腹部を前に突き出して立っていたり、そのまま左右に偏って体重をかけて立っている場合も多かったりします。
出産の前後はホルモンの働きで、関節が緩んでいる状態です。
骨盤に関しても骨盤の開き(緩み)と言われる不安定な状態がありますので、そのような姿勢の乱れの影響を特に受けやすいと考えられます。
※骨盤の開きに関しては以前に何度か記事にしていますので、そちらも併せてお読みください。
産後の方に特に多い姿勢としては、骨盤を後傾させた状態で下腹部を突き出し、腰を反らせた姿勢です。
このような姿勢が常態化すると、骨盤を立てた状態を作りづらくなります。
そうなると座った時にも骨盤を立てて座ることが難しく、骨盤を後ろに寝かせた(後傾させた)状態を取りやすくなります。
つまり、椅子に浅く腰掛けて後ろにもたれたり、ソファーに沈み込むように座ったような姿勢ですね。
本来の骨盤を立てて座った姿勢では骨盤の底にある坐骨という骨で体重を支えるのですが、このような骨盤を後傾させた座り方では、仙骨・尾骨(尾てい骨)が座面に当たって支える形になってしまいます。
このような形で負担がかかることで、仙骨・尾骨(尾てい骨)の滑液包に炎症が起きてしまいます。
先ほど書いた通り、滑液包は摩擦を軽減させるためにあるものですので、その部分に炎症が起きると摩擦を生じさせる動きをした時に痛みが出ることになります。
仙骨付近の滑液包に炎症が起きていれば、腰や股関節を曲げて屈んだ状態の時に痛みが出やすくなります。
また、常に腰を反らせて立つような姿勢を取っていると腰部の筋肉が縮んで硬くなり、仰向けで寝た時にも腰が反って浮きやすくなります。
そうなると硬いところに仰向けに寝た時などに仙骨・尾骨付近が当たりやすくなり、痛みを感じる場合があります。
軽度であれば座り方を気を付けることなどで改善する場合もありますが、産後の方でこういった症状が出ている場合は、姿勢の乱れが強く出ている可能性が考えられます。
そのため、姿勢など全体的な身体の状態の状態のチェックを受けることをおすすめいたします。
気になる方は是非一度ご相談ください。
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