骨盤前傾と反り腰
Author:Yoshifumi Mahara - 2014年4月18日
こんにちは。
今回は、混同されることの多い骨盤前傾と反り腰について。
ご来院の方々のお話を伺っていると、特に女性の方で「反り腰は良くない」と認識されている方は多いようです。
これをご覧の方の中でも、何が良くないとか具体的にどういう状態なのかはわからないけれど、漠然とそのように聞いたことがあるという方もおられるのではないでしょうか?
そして、反り腰(腰が反っている)=骨盤が前傾していると思っている方が多いです。
確かに「腰が反っているのであれば、その下の骨盤は前傾している」と考えた方が簡単ですよね。
実際にインターネット上やテレビや雑誌などのメディアでも、そのように言われていることがあります。
また、「日本人の女性は骨盤が前傾している人が多い」と書かれているのを、私自身も目にしたことがあります。
そのため、「自分は骨盤が前傾していて反り腰の姿勢になっている」と思っている女性は多いかもしれません。
実際はどうなのかというと、日本人は骨盤が後傾している人の方が圧倒的に多いです。
ただし、女性に関して言えば腰が反っている人も、確かに少なくないです。
つまり、骨盤が後傾している反り腰という状態があるのです。
そして日本人に関して言えば、骨盤が前傾している反り腰は少なく、骨盤が後傾している反り腰が多いです。
骨盤が前傾している反り腰については、黒人の方を思い浮かべてみてください。
日本人とはかなり違うのがわかると思います。
日本人で黒人の方のように骨盤が前傾している人は、そうそういないはずです。
比較対象として少し極端すぎるかもしれませんが。
では、骨盤が後傾して反り腰になるというのは、一体どういう状態なのでしょうか?
先程も書いた通り、「腰が反っているのであれば、その下の骨盤は前傾している」というのはイメージしやすいでしょう。
しかし、「腰は反っているけれど、その下の骨盤が後傾している」というのはイメージしにくいかもしれません。
骨盤を後傾させて腰を反るというと、後ろに倒れてしまいそうな気がしますよね。
それは腰と骨盤の部分だけで考えてしまっているからです。
骨盤の下側には股関節があります。
下腹部を前に突き出して股関節を伸展させることで、骨盤を後傾させた状態で腰が反っていても後ろに倒れないバランスの取り方になります。
さらにその状態でバランスを取るために、背中を丸くして頭を前に出します。
いわゆる猫背の姿勢ですね。
このような姿勢は、本来骨盤部で受ける荷重を腰で支えるために腰痛になりやすいですし、上半身も猫背になることで首・肩・背中のコリや痛みにもつながります。
また、このような姿勢が原因で、股関節に問題を抱える方も多いです。
先程から骨盤前傾・後傾について書いていますが、骨盤の傾きは第五腰椎(腰の一番下の骨)と仙骨(骨盤の真ん中にある三角形の骨)の間の部分(腰仙部)の角度(腰仙角)で判断します。
黒人の方のように骨盤が前傾している反り腰は、腰仙角が深い状態です。
それに対して、骨盤が後傾している反り腰の方は、腰仙角が浅くなっています。
同じ反り腰でも、反り方や反っている場所が少し違っています。
このような違いがあるにも関わらず、自己判断で姿勢を矯正しようとするのは非常に危険です。
骨盤後傾の方が反り腰を直そうとして一生懸命に骨盤を後傾させても、良くなるどころか悪化させてしまいます。
先ほど「日本人は骨盤が後傾している人が圧倒的に多い」と書きましたが、だからと言って「日本人の場合は骨盤を前傾させれば良い」ということでもありません。
日本人でも骨盤が前傾している人はいますし、前傾でも後傾でもない人もいます。
人間の身体は、たとえ同じように見えたとしても、一人ひとり異なります。
身体に関することで、「誰にでも」効果があるものはないと思ってください。
まずは自分の身体がどのような状態であるのかを理解し、それに合った形で改善を目指すことが大切です。
お悩みの方は、是非一度ご相談ください。
関連記事: 2014年9月18日 – 反り腰のタイプ
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