産後に骨盤が戻らなくなる?
Author:Yoshifumi Mahara - 2019年6月7日
こんにちは。
今回は産後の骨盤矯正についての話です。
産後の骨盤矯正を目的にご来院される方のお話を伺っていると、「産後すぐに骨盤矯正を受けないと骨盤が開いたままになる」と言われたという話を耳にします。
「産後に骨盤矯正を受けた方が良い」というところまではその通りなのですが、「すぐに骨盤矯正を受けないと骨盤が開いたままになる」というのは誤りです。
「産後の骨盤の開き」という言葉については、このブログでも何度も記事にしていますが、誤解されることの多い表現です。
産後の骨盤が開いていると聞くと、骨盤の関節ががばっと離れているイメージを持たれる方が多いです。
しかし、実際に骨盤の関節が大きく離れていたら、それは脱臼していることになってしまい、関節としての機能が失われた状態になります。
もしも実際に骨盤の関節がそのような状態になってしまったら、立ち上がることすらできないでしょう。
では、産後の骨盤の開きといわれる状態はどういう状態かというと、骨盤の関節が緩んで不安定になっている状態を表しています。
女性が妊娠すると、出産に向けて関節を支えている靭帯を緩める働きのあるホルモンが分泌されます。
そのホルモンの働きにより骨盤の関節が緩み、赤ちゃんが産道を通りやすくなります。
この時の骨盤が緩んで不安定になった状態が、骨盤の開きと表現されることの多い状態です。
この骨盤の緩んで不安定な状態というのは、産後しばらくすると「自然に」元の安定した状態に戻っていきます。
つまり、産後の骨盤矯正も「開いた骨盤を閉める」というものではありません。
離れた骨盤の関節を押してくっつけるような矯正を想像されている方は非常に多いのですが、そもそも関節が離れているわけではないので、そういった矯正はおこないません。
「では、産後の骨盤矯正というのは何をするものだろう?」と不思議に思われる方が多いかもしれませんね。
骨盤の関節というのは、本来とてもしっかりとした安定した関節です。
そのしっかりと安定した関節が、出産という大きな目的のために一時的に緩んで不安定な状態になります。
それにより歪みが生じやすくなったり以前からの歪みが悪化したり、また骨盤の関節や周囲の筋肉が機能低下したり、それらによって骨盤内部の環境の悪化したりなどにより、様々な不調の原因となってしまうこともあります。
そうならないために「骨盤とその周囲の状態を本来あるべき状態に整える」のが産後の骨盤矯正の主な目的になります。
産後早い段階でのケアを勧めるのは、そういった不調が出る前にケアをしておいた方が良いという意味です。
産後の骨盤が緩んで不安定な状態が、元の安定した状態に戻るまでの期間というのは、個人差はありますが3~6ヶ月くらいが目安になります。
この間が特に不調の原因となる歪みや関節・筋肉の機能低下などの問題が生じやすい時期になるので、この期間にしっかりとケアをできた方が良いということになります。
ただ、その期間が過ぎたからといって戻らなくなるということはないので、矯正を受ける時期が遅くなったからといって矯正できなくなるわけではありません。
最初の「産後すぐに骨盤矯正を受けないと骨盤が開いたままになる」という話に戻って要点をまとめます。
・様々な不調を予防するという観点から、産後は骨盤矯正を受けた方が良い。
・骨盤の開き(緩み・不安定さ)は、3~6ヶ月で自然に元に戻る。
・産後の骨盤矯正を受け始める時期は早めの方がより良い。
・ただし始める時期が遅くなっても矯正できないわけではない。
産後の骨盤矯正に関しては誤解の多いテーマではあるので、理解していただけるように今後も情報発信は続けていきたいと思います。
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