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膝裏の痛みとランニングフォームの問題点

Author:Yoshifumi Mahara - 2017年6月5日

こんにちは。

 

以前、ランニングと膝裏の痛みという記事を書いたのですが、検索からのアクセスが非常に多いようです。

 

それだけ膝裏の痛みに悩むランナーの方が多いということだと思うので、もう少し具体的に書いてみようと思います。

 

以前の記事に書いた通り、膝裏の痛みはハッキリとした病名が付くことは少なく、原因不明とされてしまうことが多いです。

 

「ランニング 膝裏の痛み」などで検索して当ブログにたどり着いた方も、きっと知りたいのは何が原因になっているのかということだと思います。

 

これも以前書いたことですが、膝裏の痛みは筋肉や筋膜性の問題がほとんどです。

 

では、なぜそのような問題が起こるのかという部分を、今回は書いていきたいと思います。

 

膝裏の痛みに限ったことではありませんが、一番に考えられるのがランニングフォームの問題。

 

色々なタイプはあるにしても、膝裏が痛くなるフォームというのは、前に振り出した足が接地してから再び離れるまでの間の動きに問題があります。

 

問題のある動きはどういう動きかというと、前に出した足で地面を掻くような動きです。

 

以下、地面を掻くような動きを例示しますが、既に膝裏が痛い方は実際にはやらずに、頭で理解するだけに止めてください。

 

もし近くにキャスター付きの椅子があれば、浅く腰掛けて膝を伸ばし、脚を前に投げ出してみてください。そこから踵を地面に引っ掛けるようにして、膝を曲げて椅子ごと体を足に近づけます。

 

ランニング時にこれと同じような方向に力がかかり続けると、膝裏に痛みが出やすくなります。

 

一つの例としては、オーバーストライドになっている場合。

足を振り出す際に前に着地しすぎて、体重を乗せる際に地面を掻くような動きになってしまいます。

 

ここで注意する点として、適切なストライドというのは体の動きによって決まるものであって、身体の大きさ(脚の長さ)に必ずしも比例するわけではありません。

 

小柄なエリートランナーと大柄な一般的ランナーを比べた場合、小柄なエリートランナーの方がストライドが大きいことはよくあることです。

 

しかし、フォームとしてオーバーストライドになっているのは、大柄な一般ランナーの方かもしれません。

 

要するに着地して足に体重が乗る時に、身体の重心がどこにあるかが問題ということです。

 

足に体重が乗る時に身体の重心が後ろに残っていれば、たとえ歩幅が小さくてもオーバーストライドということになってしまいます。

 

逆に言えば、前方遠くに着地していても、そこまで身体の重心を運んで足の真上に体重を乗せることができるのであれば、オーバーストライドにはならないということです。

 

話を膝裏の痛みに戻しますが、膝裏を痛めやすい地面を掻くような動きになるのは、このような意味でのオーバーストライドになっている場合です。

 

対策としては、歩幅を狭めるか、身体の重心を効率よく前に運べるようにするか。

 

歩幅が小さいのにオーバーストライドになる人は、骨盤・股関節周りの動きが悪かったり、骨盤が後傾している可能性が高いです。

 

骨盤・股関節周りの筋肉の柔軟性を高めたり、骨盤を適切な角度で前傾できるようにまっすぐに立った姿勢から見直すと良いでしょう。

 

骨盤・股関節の柔軟性が高まり、骨盤を適切な角度で前傾できるようになれば、身体の重心を効率よく前に運べるようになります。ランニングエコノミー(走りの経済性)も高まりますので一石二鳥ですね。

 

膝裏が痛くなる他の例としては、ランニングフォームの左右差も可能性として挙げられます。

 

先程の例は全体としてのオーバーストライドですが、片側だけがオーバーストライド気味の動きになる場合もあります。

 

今回はわかりやすくするために、左脚の膝裏が痛むと仮定します。

 

この場合は左脚だけがオーバーストライドになって、地面を掻くような動きをしている可能性があります。無意識に左脚がリードするようなフォームになっていて、右脚が後ろに流れているような状態。

 

もしくは左側に荷重が偏りすぎていて、左脚の膝から下の出が悪い(膝ばかり前に出る)、右脚は後ろに流れているような状態。

 

これらは左回りのトラックを走ることが多い選手などで、徐々にバランスを崩してそうなっている場合もあります。

 

対策としては、まず静止状態など走っている以外の状態での左右差をチェックし改善すること。

その次にランニングフォームの左右差の改善です。

 

ランニングフォームを改善しようと思った時、どうしても痛みのある左側の動きに意識が集中しがちですが、後ろに流れている右脚が原因の場合も多いので、そちらもしっかりとチェックします。

 

同時に骨盤・股関節と連動する上半身に関してもチェックします。

 

左右差の大きい選手の場合、上半身の動きにも左右差があることが多いので、そちらも併せて改善しましょう。

 

今回書いた例以外のことが原因で膝裏の痛みを起こすことはあります。

 

ただ、膝裏の痛みに限らずランニングに伴って生じる痛みは、(そもそもの身体のバランスが崩れている場合も含めて)ランニングフォームに起因するものが非常に多いです。

 

痛みが出た時は、身体の状態やランニングフォームを改善するチャンスだと思って、しっかりと見直していきましょう。

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