産後の骨盤について
Author:Yoshifumi Mahara - 2017年1月16日
こんにちは。
今回は、このブログで過去に何度も書いている内容ですが、産後の骨盤について。
産後の骨盤というと、皆さんがはじめに思い浮かべるのが「骨盤の開き」という言葉だと思います。
そして、「骨盤の開き」と聞いて想像されているのが、骨盤の関節がガバッと開いた状態。
産後の体型の変化で、以前履いていたズボンが入らない。
きっと骨盤が開いているからに違いない。
そう思われている方は非常に多いです。
そのため、産後の方で当院に骨盤矯正を希望されて来院される方には、まずその点について正しく理解していただくことから始めます。
産後の骨盤の状態、「骨盤の開き」とはどういう状態かなどを説明すると、ほとんどの方が先ほど書いたような関節が開いた状態を想像されています。
今の時代、多くの方が知りたい情報があった時に調べるのは、インターネットの情報だと思います。
試しにインターネットで産後の骨盤矯正について検索してみても、非常にたくさんの間違った情報で溢れています。
中には「○○センチくらい」離れるなどと書いているサイトもあり、それが骨盤矯正を謳っているサロンのサイトだったりする場合もあります。
そのような情報が溢れている状態では、それらを鵜呑みにして誤解する方が多くても無理もないとは思います。
しかしながら、既に「誤解」と書いている通り、実際にはそのような状態にはなっていません。
そもそも骨盤の部分というのは、上半身と下半身を繋ぐ非常に重要な部分です。
そのため骨盤部の関節は、非常に強固な関節です。
前方の恥骨結合と後方の仙腸関節がありますが、特に仙腸関節については、ごくわずかな動きしかない関節です。
もし、それらの関節が何センチも離れてしまっていたら、一体どうなるでしょうか?
上半身と下半身をつなぐ部分の関節が外れている状態なのですから、立ち上がることすらできないでしょう。
つまり、特に大きな支障もなく動けている方で、仙腸関節が離れているということは、全くもって考えられません。
ただ、恥骨結合の部分に関しては、出産時に離解してしまう方はいらっしゃいます。
その場合も通常は強い痛みを伴いますし、動きにも支障が出ます。
では、「骨盤の開き」と言われるものは、一体何を意味しているのでしょうか?
妊娠中から女性の身体は、出産のための準備を始めます。
その中の一つに、リラキシンというホルモンを分泌し、関節をゆるめるというものがあります。
これは赤ちゃんが産道を通って骨盤の内部を通過する際に、通りやすくするためのものです。
ちなみに、この関節をゆるめる働きというのは、骨盤のみならず全身の関節に作用します。
そのため、妊娠中に関節に痛みや違和感が出ることもあります。
このようなホルモンの働きによって、元々強固な関節である骨盤の関節も靭帯が緩み、通常よりも動きのある状態になります。
そして、赤ちゃんが骨盤の内部を通る際に押し広げられます。
ただし、押し広げられると言っても、先ほど書いた通り離れて広がりっぱなしというわけではありません。
状態としては、通常は靭帯という強い紐で固定されている関節が、ホルモンの働きで一時的に弾力のあるゴムのような状態になっていると想像してみてください。
つまり、関節として離れているわけではないのですが、固定する力の弱い不安定な状態になっています。
この不安定な状態は、産後にホルモンの働きがおさまることで、徐々に元の安定した状態に戻っていきます。
その際に良い状態で安定できるようにすることで、後々の様々な不調を防ぐことが、産後の骨盤矯正の目的です。
よく誤解されているような、「関節が離れているから、それを手で押してくっつける」というものではありません。
関節が元の不安定な状態になること自体は、自然に身体の中で起こることです。
その時に良い状態を保てるように手助けをするのが、産後の骨盤矯正です。
ちなみに、関節が安定した状態に戻るまでの不安定な状態の時、補助的に安定した状態を作るのに使われるのが骨盤ベルトです。
そのため、産後の骨盤矯正を受けている時期は、同時に骨盤ベルトの使用もおすすめします。
産後の骨盤矯正に関しては、必要な方とあまり必要でない方がいらっしゃいます。
どの程度の矯正を受けるべきかも人によって異なります。
気になる方は、状態を確認する意味でも、産後一ヶ月程度の時期を目安にご来院ください。
Total Body Care 向ヶ丘整体院
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